HUSKY・KES(KIRK Enterprise Solutions)・Markins・Arca-Swiss・Wimberley正規プロショップ スタジオJin 

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これは過去の特集記事です。2022年5月よりHUSKY三脚の製造販売は完全にスタジオJinに移譲されています。

アメリカで生まれ日本で育った三脚

ちょっと雑学とHUSKYの真実

日本で写真に関わった人であれば誰でも一度は聞いたことのある三脚「ハスキー」。その質実剛健さと変わらないスタイル、確実な操作感で日本デビューから半世紀以上たった今でも絶大な人気を誇る三脚です。世界初のジュラルミン製三脚、世界初のエレベーター付きセンターポール。以降に作られた全ての三脚のお手本となったといってもいい三脚です。おそらく日本のプロカメラマンでハスキー三脚を見たことも触ったこともないという人はいないと思います。それほどプロ・アマ問わず愛用者が多く、写真学校でも「まず1本買うならハスキー3段」と教えられるそうで、まさに定番中の定番といえます。


雲台部分の作りも素晴らしく、「スッと動いてピタッと止まる」と文字で書くと簡単ですが、実現できている雲台はごく僅かです。構図を決めてからぐっと締め込んだときにズレが極小であることも使いやすさに大いに貢献しています。

店長も個人的に長く愛用していますが、ネジ1本からすべての部品が補修部品として用意され、必要であればいつでも完全にオーバーホールをして新品の機能が回復できるという、他の三脚メーカーには真似のできないサービス体制も安心感を与えてくれます。その際の送付先は京都のトヨ商事という会社なのですが、自社ホームページもなく、ネット検索をしても噂話や古い情報が多く、正規販売店のページにすら間違った情報が書いてあったりします。そこでスタジオJinの特集ページ第4弾はHUSKYの真実に迫りたいと思い、トヨ商事株式会社の小竹正太郎社長にお時間をいただき、京都の本社でお話を伺ってきました。

1.現在もハスキーは輸入品?→2008年までの話です

もとは米クイックセット社が製造した写真用の三脚を、日本代理店として輸入し販売していたのがトヨ商事です。昭和38年、当時のアメリカ大使館にてアメリカ商務省主催の米国製品展示会が開催され、その際に正式に代理店契約をされたとのことです。それ以前にも一部製品は入っていたそうですが正式デビューから数えても50年以上トヨ商事がハスキーを販売しています。ただしいわゆる商社的な「輸入してそのまま販売」というスタイルではなく、精度の出ていない部品は加工し直し、ネジ山を切り直し、組み立て直し「よりよい」製品として世に送り出すという姿勢を貫いたことが日本のユーザー(特にプロカメラマン)からの支持を得、数々のハスキー神話を作り上げたといえます。余談ですが、スタジオJinをオープンするにあたり見習わせてもらったのもこの姿勢です。KIRK製品もすべてが完璧な状態で日本へ送られてくるわけではありません。

現在クイックセット社ではHUSKY三脚の製造は終了しており、2008年からはすべて国内工場で製造された「完全な日本製三脚」として販売されています。製造が日本に移るということは、材質選びから加工精度、品質管理まですべての面にわたって小竹社長の管理が行き届くことを意味します。また安易に国外の安い部品を使用せず、ネジ1本に至るまですべて日本製部品にこだわり、もちろんすべて日本国内工場で組み立てられていることにも製品に対する熱い気持ちが表れています。したがって現在の品質はアメリカ製再加工の時代よりもさらに一段上のレベルにあるといえます。

2.ハスキーはモデルチェンジをしない?→細かな品質改良はいまでも続いています

確かに、いわゆるフルモデルチェンジはいままでに一度もしていません。古い三脚には新しい部品が合わない、という不合理なモデルチェンジを繰り返してもいい方向に進むとは限らないからです。

某メーカーでは修理をリペア専門の業者に委託し、別会社でおこなっています。これがすべて悪だというつもりもありませんが、どこが壊れやすいのか、材質や設計に問題はないのかといったフィードバックはされにくい体制であるともいえます。

トヨ商事でもアフターサービス部門を「ハスキー・J・クイックサービス社」として独立させていますが、このトップも小竹社長です。これは現ユーザーに対するサービスという意味合いだけではなく、未来のユーザーに対してのさらなる品質向上を約束する第一歩でもあります。「プロに使い倒してもらわないと問題は見えてこない」という社長の言葉通り、修理やオーバーホールに入ってきた三脚を直接見て、ネジ山の減りが大きいようなら材質を見直したり、メッキの強度が足りなければ方法や厚みを変更したり、細かなネジの長さや太さを再検討したりと、50年以上の時間にわたり鍛え続けられていまの品質が確立されているのです。

3.ハスキーは重い?→最近流行のカーボン製の脚と同じレベルです

ただ一口に「アルミ」といっても品質は様々です。ハスキーには日本を代表する某超大手金属メーカーが直接製造するMade in Japan最高品質のアルミ合金パイプが用いられ、軽さと強度を両立させています。このパイプにより2段目、3段目もそれほど細くならず、脚を伸ばした時の剛性も確保できるような設計が可能となっています。

同じように「カーボン」と言っても品質は様々です。真空状態で焼結処理された高品質のドライカーボンは航空・宇宙事業やF-1マシン、医療分野などで幅広く使われていますが、成型方法が複雑となりコストが高く、加工技術の差によって製品の品質の差も大きくなります。カーボン製として販売されている他社の脚部も実はこのドライカーボンが使用されているわけではなく、厳密に言えばほぼ全てがウェットカーボンです。同じ太さの脚部で比べた場合、HUSKYは重量でもさほど大きな差はなく、価格は半額程度ではないでしょうか。

また、上下、左右、傾きを別々に調整できる3ウェイ雲台は、必要な剛性を確保するためにはどうしてもある程度大きく、重くなってしまいます。逆に言えば軽く、小さくコンパクトに作ればどこかに不具合が生じてしまうということになります。それでもじっくりと腰を落ち着けた風景撮影や静物撮影などでは「どうしても3ウェイでないと」というカメラマンは多く、軽すぎる脚と組み合わせると雲台とのバランスが取れなくなり不安定になってしまう恐れがあります。

こういった条件を一つひとつ考え合わせながら他社製三脚と比べてみると、HUSKY三脚がいかに軽く、剛性が高く、しかも使いやすくリーズナブルに、というバランスに優れているかがよくわかります。

4.ハスキーは耐荷重が低い?→各社でバラバラです

各三脚メーカーのカタログを見比べる場合、「全長○○cm」とか「重量○○g」とかという数字は(もちろん正確に記載されていればの話しですが)単純に比較できますが、三脚選びに非常に重要な項目であるはずの「耐荷重○○kg」という数字を他社と比較してはいけません。国内メーカーには一応統一基準があります※が、そんなもの知ったこっちゃないという海外メーカーもありますから、A社の「耐荷重5kg」の三脚がB社の「耐荷重7kg」のものより実用的な耐荷重に優れているということもあり得るわけです。

※2015年7月に日本写真映像用品工業会三脚部会にてカメラ用三脚・一脚・雲台の最大搭載荷重についての統一基準が定められましたが、この基準通りに表示しているメーカーばかりでもないですね。

HUSKY三脚の耐荷重は10kgと表記されていますが、これは動荷重としての数字です。実際にはこの7~8倍もの静荷重に充分耐えられるだけの強度が確保されています。ハスキー神話の一つとして「脚立にも使えるほど」という話がありますが、これも決して誇張ではなく、トヨ商事には実際に人が乗った写真も残されています。

5.ハスキーはローアングル撮影に不便?→スタジオJinが解決します

そもそもハスキーはどんな三脚よりもローアングルからの撮影が可能な三脚なのですが、ご存じない方が多いですね。エレベーターの逆挿しによりカメラボディやレンズが接地するまで下げられますし、三脚座やL-ブラケットで機材をホールドしていればカメラが逆立ちすることもありません。ただセッティングにひと手間掛かることは事実です。

スタジオJinでは大胆にカットし、縮長30cm足らずの2段ハスキーを誕生させました。メーカーに直接オーダーをし、製造工場段階から生産されたモデルですのでいわゆる改造品ではありません。もちろんメーカーによる保障もメンテナンスも受けられる特別モデルです。

グラウンドレベルからの撮影のほか、自動車のルーフやボンネット、テーブルや台の上に設置したりと使い方は様々です。ネイチャーフォトからマクロ撮影、室内での小物の撮影までこなせる、新しいHUSKYです。

もちろんエレベーターや脚部パイプなどは通常のハスキーとまったく同じ部品を使っていますから、切り詰めたぶん剛性はさらに上がりました。カメラバッグにも収まるほどのコンパクトモデルながら、ここまでの剛性があり、堅牢でメンテナンス性のいい三脚は他に存在しないでしょう。

HUSKY Lowrider オリジナル三脚
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HUSKY Lowrider

オリジナル三脚

HUSKY三脚を工場段階でカットし生産されたスペシャル2段モデル。

グラウンドレベルからの撮影のほか、自動車のルーフ、テーブルや台の上に設置したりと使い方は様々です。ネイチャーフォトからマクロ撮影、室内での小物の撮影までこなせる、新しいHUSKYの誕生です。

6.クイックシューやKIRKクランプが回転してしまう?→スタジオJinが解決します

HUSKYとKIRKクランプがコラボレーション。メーカーに直接オーダーをし、最初から雲台にコルクを貼らず、工場段階でKIRKクランプ専用に回転防止ピンを埋め込めるよう加工してあります。

クランプも2.6インチのHUSKY専用特注モデル。正面と左右に90度ずつ回転させることができ、それ以外の角度にはセットできませんので緩むこともありません。固定は定評のあるハスキーオリジナルの大型2段階締め込みノブですので、クランプの回転にも工具は必要ありません。もちろん他のモデルと同様、クランプには水平確認を一目でチェックできる水準器も内蔵され、まさに最強の3ウェイ三脚と言える組み合わせが実現しました。

HUSKY KIRK Model三脚/3Dヘッド
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HUSKY三脚

KIRK Model

HUSKY三脚にKIRKクランプをドッキングさせたスペシャルモデル。

脚部から雲台が取り外せないということは、運搬時に緩む心配もなく、剛性確保にも有利に働くことを意味します。

最強のコラボレーションを実現した価値ある一体型三脚です。

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HUSKY 3D Head

KIRK Model

HUSKY 3D HeadにKIRKクランプをドッキングさせたスペシャルモデル。

お手持ちの脚部に取り付ければ、世界最高水準の「動き」と「止まり」、さらにはアルカスタイルへの互換性が生まれます。

最強のコラボレーションを実現した3ウェイ雲台の決定版です。

現在当店で販売している三脚の脚部はHUSKYだけです。もちろんいち販売店ですから、他社の三脚も仕入れさえすればどのメーカーのものでも販売することはできます。ただ「この三脚イイですよ」と心からオススメできる製品だけに絞っていくと、結果的にHUSKYしか販売するものがなくなってしまったというのが正直なところです。

私も個人的には20年以上HUSKYを使用しています。当時のアメリカ製のものは盗難に遭ってしまい現在使用中の三脚は日本製になりましたが、実際に自分でずっと使ってきたからこそ新旧の品質の差を肌で感じることができます。またずっと販売しているからこそ細かな進化に触れることもできます。

写真の良し・悪しを見極める目で三脚を見ていただくと、本物とそうでないものの差も見えてくるのではないかと思います。

(2018年6月に加筆修正しました)

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