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KIRKとReally Right Stuff

やっぱり気になるライバル比較~その2~

KIRKでは、プレートを固定するクランプはあえてノブ式しか製造されていません。これはKIRKのこだわりの一つですが、締め込んだ感覚を指先で感じられるのでロック/アンロックの手ごたえがわかりやすく、一番避けなければならない脱落事故の確率を低く抑えることができる、というのがメーカーの主張です。個人的にもノブ式の安心感が好きなので、いままでReally Right Stuff(以降RRS)社のクランプを購入する時もノブ式を選んできました。そこでライバル比較第2段はクランプ比較です。

自由雲台やクイックリリースクランプの紹介ページにも各商品ページにも記載してある通り、KIRKのノブ式クランプは使い勝手にもこだわって製造されています。ノブ式の弱点となりうることは、着脱の時の手間でしょう。確かにレバー式のほうが見た目にも着脱は簡単そうです。しかし両社のクランプを並べて使い比べてみると、必ずしもそうとは言い切れない部分が見えてきます。

KIRKのノブ式クランプの動作
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固定位置 1/4回転 ちょうど1回転

KIRKの代表としてBH-1に装着されている2.5インチ幅、約60mmのクランプです。わかりやすいようにテープで固定位置を真上にマーキングしてから撮影しました。

KIRKのクランプはノブのネジのピッチ(ネジ山とネジ山の距離)がミリネジよりも広いので、固定位置から解放までの回転数が少なくて済むという利点があります。固定位置から1/4回転というよりも、わずかに緩めるだけでスライドさせることができ、ぴったり1回転、360度回せば上方向に取り外しができる位置まで開くことができます。

ノブを指先で掴み、180度ずつ「クルッ、クルッ」と2回まわせば取り外しができるというのは、慣れると本当にスピーディです。そのままボディを縦位置にして、また2回「クルッ、クルッ」で固定です。固定にもそれほどの力は必要ありません。機材の重さに適合するクランプ幅のものを使用していれば、本当に指先の力だけでがっちりと固定され、ガタが出るようなこともありません。

さらにKIRKの新型クランプには特許のQTT(Quick Turn Technology)ノブが搭載され、特殊なネジでノブを駆動することにより180度の回転でクランプの開閉が可能となりました。もはやノブを持ち替える必要もなく、ワンアクションで手首を「クルッ」と180度回転させるだけで機材の着脱ができるようになりました。個人的な主観ではなくあくまでも公平な視点から見て、ノブ式クランプではKIRK製が世界一だと思います。逆に言えば、そう思っているからこそ当店ではKIRK製クランプをメインに販売しています。

RRSのノブ式クランプの動作
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固定位置 1/4回転 2回転と30度ほど

RRSのノブ式クランプは店長の私物で、B2-Pro/Lという80mm幅のモデルです。ハスキーヘッドからコルクを剥がし、ドリル&タップ加工をして1/4-20inのボルト2本で直接固定してあります。同じようにノブの固定位置をマーキングして撮影しました。

RRSのノブはピッチが細かく、解放させるまでの回転数がKIRKより多くなります。スライドは同じようにわずかに緩めるだけでいいのですが、上から取り外すまでには2回転でも足りず、さらに30度ほど回さなければなりませんでした。角度でいえば750度ということになります。

先ほどと同じように180度ずつ回していくとすれば、4回では外れないので5回まわす必要があり、かなりクルクル回さなければ上からは外せないという印象です。当然装着にも同じだけの手間が必要で、素早い機材の交換にはKIRKが優位です。もちろん固定力そのものはRRSも問題なくがっちりと固定され、ガタも出ません。

次にレバークランプですが、これはRRSにしかありませんので比較することはできませんが固定力に問題はありません。

画像のクランプはRRS製のFASクランプというモデルで、カメラ固定用のクランプはレバー式、レールスライド用のクランプはノブ式というちょっと変わったクイックリリースクランプです。ライバル比較その1で結論づけたように、KIRK製のL-ブラケットBL-D3を装着してみてもしっかりホールドしています。

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レバー式の利点はレバーが固定位置にあるのか、中間位置でスライドできるのか、完全に開いているのかが目視で確認できるという点が一番大きいような気がします。またレバーはクランプ本体よりも薄いので、どうしてもノブの丸みがクランプよりも厚くなってしまうノブ式よりも取り付け場所の自由度は上がります。

ただしレバーでの固定は確かにワンタッチですが、実際には思った以上に力が必要な場合があることに注意が必要です。開放位置から中間までのレバー操作に力は必要ありませんが、スライド位置から固定位置にレバーを動かす時には少し強い力で押す必要があり、同じようにロック位置から中間へ動かすにも指先でちょっと、という感じではありません。このレバー操作に気を取られ過ぎていると、三脚が不安定になったり機材がぐらついたりする場面もありますので慣れが必要です。クランプとプレートの組み合わせにもよりますが、実際に使ってみないとわからない点です。

なおレバーリリースタイプのクランプではRRS同士でも相性があり、レバー操作の比較的容易なものとかなり固いものとがあります。マッチングはかなりシビアで、レバー操作の容易なものは一見固定されているように感じても横から力を掛けるとプレートが滑って動いてしまうこともよくあります。店長個人所有の複数のレバー式クランプに同じプレートを装着しても、同じクランプに異なるプレートを装着してもやはりそれぞれレバー操作に必要な力は違います。RRSのプレートに比べますとKIRKの方が若干幅が広めなものが多いためレバーの操作感に違いが出る可能性があります。あくまでも異なるメーカー同士のマッチングであることにご注意ください。

実際に各メーカーのクランプに長年携わってきた経験から申し上げれば、当店としてはどのメーカー製のものであっても基本的にレバーリリースタイプのクランプのご使用はお勧めしません。

(2018年10月に加筆修正しました)

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