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ネジ・六角レンチについて

ちょっと雑学とオススメ工具のご紹介

ネジには本当に様々な種類がありますが、木工用や配管、電球などを除くいわゆる「ボルト&ナット」では、現在は日本やヨーロッパで広く使われているメートルネジと、アメリカを中心として使われているインチネジの2種類が代表的なネジの規格です。国が違えば長さの単位も違うのですが、ネジの規格まで違ってくるのはご存じない方が多いようです。

身近な例では日本車やヨーロッパ車は基本的にメートルネジで組み立てられていますが、アメリカ製のクルマはインチネジで組み立てられているものが多いので、旧いアメ車やハーレーにお乗りでメンテナンスまでご自分でされる方はインチネジに詳しい方が多かったりします。ただし最近のアメリカ車はメートルネジが使われているものも増えてきていますし、旧いイギリス車はまた別のインチ規格だったりしますが長くなるのでやめますね。

ここから本題です。カメラと雲台を固定するためのネジや三脚と雲台を固定するためのネジは、日本製も含めて世界中ほぼ全てがインチネジで統一されています。「なぜ?」と疑問に思うところですが、誰かが使い始めてそれが広がってしまった以上は、他のメーカーが独自にメートルネジを使ったとしても「この三脚にこのカメラは取り付けできない」といった問題が出てしまいかえって不便だからですね。ちなみにマイクスタンドやコンピュータの組み立てに使われているネジも一部がインチネジです。

コンパクトカメラから一眼レフまで、身近で目にするほぼすべてのカメラにはUNC1/4-20という規格のインチネジ穴が付いています。「細ネジ」とか「カメラネジ」という別名で呼ばれることも多いですが、工業規格としては「UNC1/4-20」というのが正確な呼び方です。ネジ穴(メス側)では説明しづらいのでオスネジで言いますと山の一番太い部分の直径が1/4インチ(約6.3mm)で、ネジのピッチは1インチ(25.4mm)の中に20個の山があるという規格です。UNCはユニファイ並目という意味で、UNFという細目(ネジ山の間隔が細かいもの)の規格と区別しています。

似た規格で主に建築分野で使われているウイットネジ(W1/4や1/4Wと表示されています)もありますが、ネジ山の角度が違うので別の規格です。ホームセンターに並んでいるネジはほとんどが建築用のウイット規格ですのでカメラ関係に使用してはいけません。ピッチも同じなので実際には使えてしまうのですが、ネジ山が面接触しないので緩みやすく、逆に噛み込んでしまうこともあります。ネジ山内部にも傷がつきやすいため耐久性にも大いに問題があります。

もうひとつ、「細ネジ」に対して「太ネジ」とか「ドイツネジ」と呼ばれるネジがあります。主に中判・大判カメラや超望遠レンズの三脚座に設けられている太いネジ穴がこれで、三脚と雲台を固定する部分のネジとして多くのメーカーで採用されています。正確な呼び方はUNC3/8-16という規格で、同様にオスネジ山の一番太い部分の直径が3/8インチ(約9.5mm)で、ピッチは1インチ中に16個の山があります。

カメラやレンズと三脚・雲台を固定するネジはほぼこの2種類しかないので、覚えておいて損はありません。

ただし、もっと細かい部分・・・KIRKはアメリカ製品なので新・旧セーフティスクリューやG1のクランプ固定ネジ、L-ブラケットのストラップリング固定ネジなどではそれぞれ違った太さのインチネジが使われています。また三脚座のフット交換タイプなどは日本メーカーのリング部分に固定しますので、ネジ穴がメートル規格で作られていれば当然メートルネジで固定することになります。

当店の商品ページではできるだけ細かくネジの規格を書くようにしていますので、インチのネジ穴にお手持ちのメートルネジを押し込んだりしないでくださいね(実際、無理をすると入ってしまうものもあります)。

ネジの規格がインチということは、それを回す六角レンチも当然インチ規格です。L-ブラケットやカメラプレート、レンズプレートなどを固定する1/4-20ネジの頭は5/32インチという規格の六角穴ですが、メートルに換算すると3.96875mmとなり、4mm規格の六角レンチは若干の余裕をもって作られているので大抵はすっぽり収まってしまいます。それを理解したうえで緊急措置的に使うことができる場合はありますが、あまりお勧めはできません。精度の出ていないレンチだと六角穴の奥まできちんと差し込めないものもあるからです。

旧セーフティースクリュー固定用の六角レンチは1/16インチ(1.5875mm)ですが、1.6mm近い穴に1.5mm規格の六角レンチでは遊びが大きすぎてレンチがネジに噛み込んでしまったり、六角穴をなめてしまって空転してしまうことが多くなります。G1で使われている3/16インチ(4.7625mm)など、メートル規格の六角レンチでは全く適合しない(4mmでは引っかかりもせず5mmは入らない)ものもあります。

付属のレンチはもちろんインチ規格のものですが、あくまでも付属品の域は出ないものです。頻繁に付け替えをされる方や工具にもこだわりのある方は是非、キチンとしたメーカーのインチ規格の六角レンチやヘックスドライバーを使われることをお勧めします。

「キチンとしたメーカー」といっても、世界に目を向けると六角レンチを製造している工具メーカーはたくさんあります。おそらく一番有名なのはPBスイスツールズ(旧PBボーマン)でしょう。その名の通りスイスのドライバーメーカーで、お国柄もあるかもしれませんがカラフルで仕上げも美しくしかも精密です。L型の六角レンチには独特の「しなり」があり、締まり具合や「これ以上力を掛けたらヤバイ」という手ごたえを伝えてくれます。

全ての面で平均点以上の製品を供給しているメーカーですし、実際に使ってみても確かに使いやすく不満点はほとんどないのですが、100点を取れないメーカーでもあるというのが店長の個人的な意見(好み?)です。PBのレンチ類ももちろん仕入れることはできるのですが、あえて別の2つのメーカーをご紹介したいと思います。

最初にご紹介したいのが、ドイツのWera(ヴェラ)という工具メーカーです。日本ではご存じない方が多いかもしれませんが、ヨーロッパではNo.1のドライバーメーカーだそうです。ここのレンチのいいところはヘックスプラスと呼ばれる、六角穴に面で接触するという形状にあります。

Weraのレンチを断面で見ると微妙に星形にえぐられていて、回転方向に力がかかったときにその面が六角穴の面に当たるので、ネジにもレンチにもストレスが掛かりにくく、ネジにやさしいレンチといえます。結果的に、なめかけてしまったネジでも回せることが多いようです。仕上げの美しさやデザイン性はPBにはかなわないかもしれませんが、工具としての性能は間違いなく世界最高級品です。

なかでも店長のオススメはロングアームで、長軸側がボールポイントになっているタイプです。このレンチは先端のみが六角形状で、それ以外は丸軸でプラスチックのスリーブもついているので、本締めで力をかけても指に食い込みません。またロングタイプといっても全長は14cmほどです。細いボールペン1本と変わりませんので常にカメラバッグに入れておいても邪魔になりません。

また六角ビットも同じく面接触のヘックスプラスで、プラスビットも世界最高との評価があります。必要なサイズとビットラチェットをセットで持っていれば完璧ですね。

もう一社ご紹介したいのが、アメリカの六角レンチ専門メーカーBONDHUS(ボンダス)です。六角工具では世界シェアの半分以上を占めているそうで、NASAでも使用され、ボールポイントの六角レンチを世界で初めて発明したメーカーとしても知られています。

ここのレンチはとにかく「硬い」です。PBの「しなり」とは対極にある感じですね。硬く締まったネジもぐいぐい回してくれるイメージです。また、六角穴へのフィット感も違います。慣れないと(慣れていても)六角穴に入れづらく感じるほど、ぴったりとフィットします。

他社のレンチは六角穴に入れやすく、抜きやすくするために多少の遊びがつけられているのに対して、ボンダスはその遊び幅を極力少なくして六角穴にフィットさせる、というスタイルです。仕上げはWeraよりもさらに荒削りな感じで洒落っ気は全くありません(失礼)が、六角レンチでは最強ではないでしょうか。

こちらのメーカーからは「ゴリラグリップ」というナイフ型のレンチセットをご紹介します。9本のレンチがコンパクトに収納されていて、出先でも困ることはありません。

工具屋さんになるつもりはありませんが、ご紹介だけしてどこかで適当に買ってくださいというのはあまりにも無責任ですし、ホームセンター等ではまず販売されていませんので、本当にオススメできる工具のみ当店でお分けしたいと思います。

(2017年3月に加筆修正しました)

オススメ工具
wera_hex.jpg画像

Wera(ヴェラ)

六角レンチ

ヘックスプラス・ロングアーム・ボールポイント・5/32インチ

プラスチックスリーブ仕様

1本だけ持つならこれ!です

wera_bit_hex.jpg画像

Wera(ヴェラ)

六角ビット

ビットシリーズ1 840/1Z ヘックスプラス

差し替えドライバーにも使える世界最高級のビットです

必要なサイズをビットラチェットにセットして使えば完璧です

gorilla_glip.jpg画像

BONDHUS(ボンダス)

六角レンチセット

インチヘックスレンチ9本セット「ゴリラグリップ」

050・1/16・5/64・3/32・7/64・1/8・9/64・5/32・3/16

インチ規格の細い六角ネジは全部オマカセ!

おまけに防錆潤滑剤

防錆潤滑剤といえば日本ではKURE(CRC) 5-56が有名ですが、世界シェアNo.1はWD-40だそうです。

アメリカ航空宇宙ロケット用の防錆、除錆剤の開発過程で「水置換(Water-Displacement)」という理論が研究され、その試作40回目で出来上がったのがWD-40だそうです。頭文字を取っただけというのがアメリカ的ではありますが、5-56ももともとは製造会社の住所の番地が由来だそうですからネーミングセンスは似たようなものかもしれません。

5-56と比較して一番わかりやすい違いは持続性ですね。実際使ってみると潤滑性も防錆性もWD-40のほうが優れ、それが長続きすると感じます。大手のホームセンターや自動車用品店でも取り扱いはあるようですが、入手できない方のために当ショップでは少量で携帯にも便利なミニ缶をご用意しました。付属のノズルは装着すれば小面積の部分にもスプレーでき、保管時にはキャップに装着できます。

WD-40はKIRK BH-1/BH-3のメンテナンス剤としてメーカー指定されています。もちろんご家庭のサッシや蝶番の潤滑剤としてもどうぞ。

オススメ防錆潤滑剤
WD40.jpg画像

WD-40

防錆潤滑剤

100mlのミニ缶サイズ防錆潤滑剤WD-40です

少量で携帯にも便利で、付属のノズルでスポット噴射も可能

BH-1/BH-3のメンテナンス剤としてメーカー指定されています

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