HUSKY・KES(KIRK Enterprise Solutions)・Markins・Arca-Swiss・Wimberley正規プロショップ スタジオJin 

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クイックリリースの極意

アルカスタイルをお薦めする理由

カメラを雲台に固定するということ

現在市販されているカメラ(コンパクトカメラから一眼レフまで)にはほとんどもれなく、三脚を取り付けるためのネジ穴(1/4-20 UNC)が設けられています。カメラやレンズの性能は日進月歩で進化し続けていますがこの部分だけは何十年経ってもなんの変化もなく、メーカー側の姿勢は「ネジ穴だけつけときましたからあとは勝手に使ってください」と言わんばかりのように感じます。もちろんカメラと三脚システムをセットで作っているメーカーもありますが、考えてみればプロ用のカメラ・レンズで現在圧倒的なシェアを持つCanonもNikonも三脚・雲台は製造も販売もしていません。ここにもひとつ問題があるような気がしますが、それはまたの機会にでもお話したいと思います。

話を戻しますと、もちろん昔はこのネジ穴に雲台から出ているネジを直接ねじ込んでカメラを固定する方法しかなかったのですが、それでは手間が掛かる、極寒時には手がかじかんでうまく着脱できない、素早くセッティングや撤収を行いたい、などという要望により様々な三脚メーカーが「クイックシュー」と呼ばれるアクセサリーを開発・販売してきました。もしかしたら「もっと気軽に、手軽に三脚を使って(買って)欲しい」という販売戦略もあったかもしれません。

今回は基本に戻って、この功罪について考えてみたいと思います。

いわゆるクイックシューの問題

国内メーカーでよく見掛けるクイックシューは主にカメラやレンズ側に装着する「プレート」部分と、雲台側に取り付けておく「受け」の部分がワンセットで販売されていることが多いと思います。メーカーにより呼び方は様々ですからここでは単純に「プレート」と「受け」として話を進めます。規格もメーカーにより異なることが多く、同一メーカーの、しかも対応する型番のもの同士でしか使えないという不合理なスタイルがいまだに主流のようです。また上記の通りとにかく簡単に設置できることを主な目的とした商品が多く、そこを突き詰めすぎてかえって安定性に支障が出てしまっているものも存在します。

「プレート」については平らなアルミまたはマグネシウムなどの合金の上にコルクやゴムが貼ってあり、カメラボディへの当たりを優しくし、その摩擦によって回転方向に緩まないようにしてあります。メーカーによっては「なんでこんなに?」と思うほど分厚いものが貼ってあったりしますが、この弾力のある素材が超望遠撮影時の微細なブレを引き起こしたり、構図変更の際にたわんで撮影のリズムを崩してしまったりすることがあります。

また利便さを追求してか、カメラに固定するためのネジがレバー式になっていて指で回せるようになっていたりコインで回せるようになっているものが非常に多いですね。一見工具要らずで便利そうに見えますが実はこれは逆効果で力が入らずにキチンと固定できない場合も多くあります。当然のことながら、コインはネジを回すための道具ではありません。

「受け」側は雲台と一体成形されているものもありますが、基本的には片側一辺を引っ掛け、逆側からレバーで直接プレートをパチンと押さえるスタイルが多いですね。固定はカメラを置くだけ、取り外しはレバーを起こすだけと非常に簡単に思えますが、レバー側は1点でしかプレートに接しておらずそこからガタが発生する場合が非常に多いものです。

ほとんどの雲台はこのレバー位置の調整が出来ず、受け側が(時には雲台ごと)目視ではわかりづらい程のゆがみが発生してプレートをキチンと押さえられない状態になっていたり、レバーとプレートが常に同じ点で接するため使用するにつれてそこだけ削れてしまったり凹んでしまったりして、結果的に「使えない」状態になっているものを数多く見てきました。

「使える」クイックリリース・システムの条件

結論として、プロカメラマンの方には「クイックシューなんぞ使うな!」という意見の方が多かったように思いますし、写真学校などでもそう教わることが多いようです。私自身も過去何人ものプロの方から同じ言葉を聞いてきましたし、設置の手間を惜しんだがために散々な撮影結果となるのは非常にもったいないと思っていました。

ただ上記の問題が全て解決できるものと出会っていなかっただけなのですが、アルカスタイルのクイックリリースシステムはさらに、カメラボディを雲台に直接固定するよりも強固にホールドできる場面が多くあることは実際に自分で使い始めてから知ったことです。

L-ブラケット画像

まずプレート部分は基本的に各機種専用設計となっており、市販されているカメラを実際に購入してから各部を型取り、計測して作られていますので遊びやガタは皆無です。

当然弾力のあるゴムやコルクは必要なく、アルミ合金の金属部品がそのままカメラ底部に「カパッ」とはまり、固定ネジを適度に締め込むとボディと一体となってしまうかのように成形されています。

あえてここでひと手間掛けて、固定ネジを六角レンチで締めることにも意味があります。レバーやコインで締めるよりも確実な取り付けを行うためには(できればキチンとした)工具を使用するのが間違いなくベストです。またこれは雲台のカメラ台裏についているネジを指で回すよりも(雲台にカメラを直接固定するよりも)締め加減がわかりやすい唯一の方法です。

また各機種専用のL型ブラケットの存在も見逃せません。私も昔、初めてリング式三脚座のついたレンズを使用したときにレンズを中心にくるっとボディごと回転させて縦構図撮影が出来ることに感動したものですが、同様のことがカメラボディ側でも出来ることの意味は縦構図撮影をするシーンの多い方ほどご理解頂けるかと思います。

クイックリリースクランプ画像

アルカスタイルのクイックリリースシステムではプレートの「受け」側をクランプと呼びますが、小さな万力を思い浮かべて頂くのが一番正確だろうと思います。開閉する爪がプレート部をしっかりと挟み込み、挟んだ状態で固定するためにこちらは両側が面接触となり、固定力には圧倒的な差があります。常に同じ点を押さえつけるような構造ではないのでプレート側が削れてしまったりすることもありません。

クランプは爪幅により数種類の大きさが作られていますが、全て開口幅は同じですのでどのクランプとどのプレートの組み合わせでもしっかりとホールドすることができます。「このクランプとこのプレートは合わない」などといった不合理なことはないシステムです。

雲台にクランプを固定する際にも利点があります。カメラを固定するときにはやはりボディ側の破損を恐れて多少遠慮してしまいますが、クランプはよほど無理な力を掛けない限りまず破損することはなく、万が一ネジ山を潰してしまっても補修は容易ですので(必要があればネジロック剤等を併用して)キチンと取り付けることができます。

プロが認めたクイックリリース

仕事柄、多くのプロカメラマンの方々と関わりを持たせて頂いています。メディアでご活躍の方から写真館やフォトスタジオを経営されている方、ネイチャーフォトや学校行事、観光写真、ウェディング専門の方など、中にはご高名な方もいらっしゃいますが皆さん口を揃えて「このクイックリリースならいいね」との評価を頂いています。もちろん撮影スタイルは人それぞれ千差万別ですので細かな部分では好みが別れることもあるでしょうが、逆に言えば「このシステムは決定的にここがよくない」というお話は一度も伺ったことがありません

プロの現場では被写体に集中するため、道具は使い易くて信頼性が高いことが最重要とされます。余計なことなんぞ構っちゃいられねぇというのが本音かもしれません。シャッターを押す瞬間というのは、構図、シャッターチャンスから始まり露出、シャッタースピード、ホワイトバランス、ISO感度などカメラ側の設定や、その瞬間の光や風まで本当に様々なことを一瞬で判断しなければならない状況です。もちろん心配事は一つでも少ないに越したことはありません。これは写真を職業とする方だけではなく、撮影を趣味とされる方にも当てはまるのではないでしょうか。もしかしたら熟練したプロカメラマン以上に、アマチュアフォトグラファーはその瞬間にいろいろと迷い、考えている事柄が多いかもしれませんね。

スタジオJinにできること

当店がお手伝いできるのは三脚や雲台とカメラボディやレンズを接続する部分において、もっとも確実で信頼性の高いシステムをご紹介して「心配事を一つ減らせる」という部分だと思っています。もちろんそこにプロ・アマの境界はありません。

既に世界標準となりつつあるこのシステムですが中には粗悪なものが含まれていることも事実です。当店ではその製品の信頼性と精度・仕上げの良さに定評があり、豊富に機種別プレート類が用意され、誇りを持って自社製品を展開しているメーカーのみをお薦めしています。そうでないメーカーをご紹介することは、むしろ心配事を増やす結果になりかねないと思っているからです。

ただ「カメラアクセサリーとしてはちょっと高価ですね」というご意見を頂くこともあります。確かに量販店で格安販売されている三脚セットよりも高価なクイックリリースシステムだったりするのですが、プレート類やクランプはすべて航空機用アルミ合金6061-T6(強度は2000番台のジュラルミンに匹敵し耐食性は優れる)という材質から機械加工で高精度に削り出され、入念な下地処理と面取加工がされた上に硬質アルマイトコーティングが施されています。この材質と製造工程を考えれば国内生産よりもずっと安価に製造されているといえます。

ご来店頂いた方にはよくお試し頂くのですが、「両手で目一杯の力を掛けて、たわみが出るかどうか試してください。遠慮なくフルパワーでいいですよ!」とあえてバッテリーグリップ用の大型L-ブラケットをお渡しします。まずその軽さに驚かれる方も多いのですが、実際力を掛けてもよほどの方でない限り、たわみそうな予感すら感じられないでしょう。あえて高価でも軽量で堅牢な材質を用い、傷のつきにくい高級な表面仕上げをしていることから来る安心感を撮影前に感じられることも非常に大きな意味を持つと思っています。

もしまだこのクイックリリースシステムを試されていない方は是非お問い合わせください。お近くの方は是非一度ご来店いただき、実際に触ってみてください。アルカスタイルに慣れてしまうともうこのシステムのない撮影に戻ることは考えられなくなることでしょう。私自身もその一人です。

個人輸入にも心配事が・・・

最後にご質問の多い個人輸入について記しておきます。私も撮影機材や工具類から、車の部品や雑貨までいろいろと個人的に輸入をしてきました。日本に輸入されていない商品は直接海外から買うしかなかったのですが、やはり何度かトラブルもありました。クレジットカードが1枚あれば決済ができてしまう手軽さですが、それも100%安全とは言い切れません

送られてきた品数が足りなかったり、違うものが入っていたり、明らかに動作に問題があったり全く合わなかったり・・・すべて私自身の経験です。人間の行う作業ですからどうしてもそういったミスがあるのは避けられませんが、その都度英語で文句を言い、認めさせたうえで(これが結構大変!)海外に商品を送り返してまた送ってくるという手間は非常に面倒ですし、その確率は日本国内の通販よりも明らかに多いというのが実感です。幸いなことにカード関係のトラブルは今のところありませんが、雲台の動きなど微妙なニュアンスを伝えようとしても「そんなもんだ」という一言で片付けられることも珍しくありません。

実はそういった心配事からも解放されるよう、このショップをオープンさせたという経緯もあります。もし誰かが先に国内ショップを運営していたとしたら、私もいち利用者に過ぎなかったかもしれません。

もちろんお問い合わせやご質問は日本語でどしどしお寄せください。現在は自社サイトにて運営しておりますが、店舗をオープンする際には通信販売という形態にも不安がないよう、日本のネットショッピングモールの中でおそらく一番有名であろう楽天市場を選んでスタートしました。個人輸入では気になる送料も、日本国内であれば皆様同じ条件でご購入いただけるように離島を含め全国統一価格に設定してあります。

また当店はあくまでもいち販売店であり、特定メーカーの代理店ではありませんから誰にも遠慮せずに「良いものは良い、良くないものは良くない」と言います。市販されていない部品はオリジナルで作りますし、取り扱っている商品はなんのためらいもなく改造や加工をしてお客様のご要望に合わせてしまいます。メーカーに対しても遠慮せずにものを言いますし、強引に押し掛けてショップオリジナルという形のコラボモデルを生み出したりもしてきました。もちろん商品や姿勢に疑問のあるメーカーの商品は最初から仕入れも販売もしません。結果として非常に偏った品揃えのショップに見えるかもしれませんが、それぞれに理由があるのです。

三脚や雲台・クイックリリースシステムについて私自身が「こんなショップがあったらいいな」と思う形を具現化してきたつもりですが、まだまだ足りない部分も多いかと思います。今後もお客様から様々なご要望やご希望をお寄せ頂き、皆様の考える「こんなショップがあったらいいな」という店舗を目指していきたいと思っています。

(2016年1月に加筆修正しました)

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